弦学

「弓。 ―馬毛の産地による音の違いについて―」


同じ弓でもその弓に張る毛の種類が変わると、違う弓になったような変化が得られる。毛の種類とは毛の色の違いだけでなく、産地の違いも含まれている。

毛の色の違い


基本的には色は白色の毛が使われているが、最初から白色の毛と採取後に漂白されて白色にされた毛がある。人間と同じように毛にダメージが少ないほどいい毛になるので、白毛を使用する場合は無漂白の毛をお勧めする。茶毛は白毛よりも引っ掛かりがあるが繊細な表現をすることもできるので、チェリストにおすすめだ。黒毛は最も引っ掛かりが強くコントラバス奏者におすすめだ。しかし、音が固くなりがちでガリガリとした音になるので繊細な表現には不向き。


産地の違い


〇モンゴル産

モンゴル産の馬毛がもつキューティクルは、小さく細かいという特徴があり、毛と弦の摩擦がシャープで引っかかりが強いが、音量はそれほど大きくないという弾き味が感覚されます。比較的リーズナブルなお値段のため特にこだわりが無い場合にはお勧め。

〇カナダ産

カナダ産はモンゴルより太く強い毛質と大きく均等なキューティクルが、雑音少なくクリアな音色を作ります。均一性が高く繊細な表現に長けているといえるでしょうか。弦との摩擦抵抗は低く、弓が弦の上をスムーズに流れます。

〇シベリア産

シベリア産はカナダより細いが美しく、品質の高い毛質。適度な抵抗感があり、丁寧に音を掴みます。細い分、強いアタック等に弱いという側面も。室内楽向けのサウンドが得られます。

〇イタリア産

イタリア産は徹底した餌の管理による放牧馬から採取される栄養分の高い毛による為、そのキューティクルは大きく弾力性に富むという特徴があり、なめらかで強い引っかかりと、大きい音量が感覚されます。

〇その他

その他の毛の種類として、人工の化学繊維を使ったシンセティックというものもある。この毛は湿度による伸び縮みが馬毛に比べほとんどないため、年中通して安定している。


3-F class mates